昭和42年創業、福井の住まいを地域の職人と守り続けるリフォームパンセ、
代表親方・一級建築士の漆﨑隆一です。
今回はリフォームの打ち合わせでよくご質問をいただく、
「内装材にはどんな種類がありますか?」
についてご紹介します。
内装材には本当にたくさんの種類があります。
クロス、木目の化粧板、塗り壁、塗装、フローリング、クッションフロア、タイルなど
選択肢はさまざまです。
最初に私がお伝えしたいのは内装材は見た目だけで選ばない方がよいということです。
同じ「きれいな壁」でも掃除のしやすさを優先するのか、
自然な質感を大切にするのか、
ご高齢の方や小さなお子様がいるのかで向いている材料は変わります。
私ならまず、
どの部屋で使うのか。
誰が使うのか。
何を一番大切にしたいのか。
この3つから材料を考えます。

□壁・天井で一番身近なのは「クロス」
住宅の壁や天井で現在最も一般的に使われているのがクロスです。
クロスにもビニールクロス、紙クロス、織物クロスなどがありますが、
住宅ではビニールクロスを使用することが多くあります。
色や柄、質感の種類が非常に多く、
木目調、石目調、塗り壁調など部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
施工もしやすく、費用とのバランスが取りやすいことも大きな特徴です。
一方、
クロスは下地の動きや乾燥などによって年月が経つと継ぎ目が開いたり、
角の部分に隙間が見えたりすることがあります。
これは必ずしも施工不良ということではなく、
木造住宅そのもののわずかな動きが影響している場合もあります。
ですからクロスを選ぶ時は、
「どんな色にするか」だけではなく、「どこへ貼るか」
も考えます。
例えば水まわりなら汚れを拭き取りやすいもの、
寝室なら落ち着いた質感、
ペットのいるご家庭なら傷や汚れに配慮した商品など、
場所によって選び方を変えるとよいでしょう。
□昔の住宅でよく見る「木目の化粧板」
昭和から平成初期頃の住宅では壁や天井に木目の板が張られていることがあります。
いわゆるプリント合板や化粧合板と呼ばれるものです。
表面に木目柄などを施した板材で
当時の住宅では和室、廊下、階段まわりなどにもよく使われていました。
木目の雰囲気があり、板と板の目地もデザインの一部になります。
ただ、
長年紫外線を受けると色あせたり表面の化粧部分が弱くなったりすることがあります。
特に古い化粧板ではテープなどを剥がした際に表面まで一緒にめくれてしまうことがあります。
リフォームではそのまま残すのか、
上からクロスを貼れるよう下地を作るのか、
板そのものを張り替えるのかを状態を見ながら判断します。
私は古いからすべて隠してしまえばよいとは思っていません。
状態が良く、その家らしい雰囲気が残っているのであれば
既存の木目を活かすという選択もあります。
□自然な質感を楽しめる「塗り壁」
塗り壁は左官職人が材料を壁へ塗って仕上げる方法です。
聚楽壁、漆喰、珪藻土など、さまざまな種類があります。
クロスとは違い、手仕事ならではの表情が出ることが特徴です。
光の当たり方によって陰影が変わり、落ち着いた雰囲気を作ることができます。
材料によっては調湿性などの特徴を持つものもあります。
ただし、
塗り壁ならすべて同じ性能があるわけではありません。
商品や施工方法によって特徴が異なりますので、
「自然素材だから何でも優れている」と考えるのではなく、使用場所や性能を確認することが大切です。
また、
表面がざらついた仕上げではこすると粉が落ちたり、汚れが入り込むと落としにくかったりすることがあります。
ですから、
雰囲気を大切にしたい場所なのか。
日常的に手で触る場所なのか。
によって使い分けます。
□デザインの自由度が高い「塗装仕上げ」
壁や天井を塗料で仕上げる方法もあります。
ローラーや刷毛、吹付けなど塗料と施工方法によってさまざまな表現ができます。
単色でシンプルに仕上げるだけではなく、
質感を出したり、アクセントとして一面だけ色を変えたりすることもできます。
塗装仕上げは店舗や公共施設などでも多く使われていますが、
住宅でもデザインを重視した空間ではよく使います。
ただし、
塗装は下地の状態や職人の施工技術によって仕上がりに差が出やすい材料でもあります。
また、
色や艶によっては手垢や汚れが目立ちやすいこともあります。
私は塗装仕上げを選ぶ時ほど
小さな色見本だけではなく、少し大きめの面で色と質感を確認することをおすすめしています。

□床材は「歩く場所」だから見た目だけでは決めない
床は、壁や天井以上に直接触れる場所です。
毎日歩き、家具を置き、水や汚れが付くこともあります。
そのため床材は、
見た目・耐久性・水への強さ・滑りにくさ・掃除のしやすさ
を合わせて考えることが大切です。
□住宅で最も一般的な「フローリング」
住宅の床で広く使われているのがフローリングです。
フローリングは無垢材、フロアは工場生産品であるとの説明もありますが、
現在はフローリングという大きな分類の中に無垢フローリングと複合フローリングがあると考える方が分かりやすいです。
無垢フローリングは一枚の天然木から作られた床材です。
木そのものの質感や足触りが魅力ですが湿度によって伸縮したり、傷や色の変化が出たりします。
一方、
住宅で多く使われている複合フローリングは基材の表面に木材や化粧シートなどを重ねて作られています。
現在は、
・傷に強い
・水に強い
・ワックスが不要
・ペットの滑りに配慮
・床暖房対応
などさまざまな機能を持った商品があります。
ですから「木目が好き」というだけでなくリビングなのか、寝室なのか、ペットがいるのか、といった暮らし方から選ぶことができます。
□水まわりで使いやすい「クッションフロア」
クッションフロアは塩化ビニル系のシート状床材です。
トイレ、洗面所、脱衣所などでよく使われます。
水に強く、汚れを拭き取りやすく、フローリングに比べて費用を抑えやすいのが特徴です。
木目、石目、タイル柄などデザインも豊富になっています。
名前の通り多少のクッション性もあります。
ただし、
柔らかい材料ですので重い家具などを長期間置くと跡が残ったり、鋭いものを引きずると傷が付いたりすることがあります。
私は特に、
トイレや洗面所など、「水」と「掃除」を優先したい場所
ではとても使いやすい材料だと思っています。
□耐久性と質感を楽しめる「タイル」
タイルは水まわり、玄関、土間などで使用されることが多い材料です。
耐久性が高く、色や質感の種類も非常に豊富です。
大きなタイルを使えばホテルのような雰囲気にもできますし、
小さなタイルをアクセントとして使うこともできます。
一方で使用する場所によっては滑りにくさへの配慮が必要です。
特に玄関や水がかかる場所では見た目だけでなく床用として適した商品を選ぶ必要があります。
また、
タイルそのものは汚れに強くても目地部分に汚れが付きやすい場合があります。
ですから、
デザイン・滑りにくさ・掃除のしやすさ
を一緒に確認します。

□私なら内装材をこの3つで選びます
内装材は種類が多いのでカタログを見始めると迷ってしまいます。
そんな時、私は次の3つから考えます。
1つめは、誰が使う部屋なのか。
小さなお子様、ご高齢の方、ペットなど、使う人によって必要な性能が変わります。
2つめは、その場所で何が起こるのか。
水がかかる、汚れやすい、家具を動かす、素足で歩くなど、場所によって条件が違います。
3つめは、どんな雰囲気で暮らしたいのか。
明るくしたい、落ち着かせたい、木の温かさを出したい、ホテルのようにしたいなど、ご家族の好みも大切です。
この3つを整理してから、
クロスなのか。
塗り壁なのか。
フローリングなのか。
タイルなのか。
を考えていきます。
材料から考えるのではなく、暮らしから材料を選ぶ。
私はこの順番がよいと思っています。
□既存の材料を活かすこともリフォームの選択肢です
リフォームというと、
「古いものを全部取り、新しいものに交換する」
と思われるかもしれません。
でも私は必ずしもそうだとは考えていません。
例えば昔の家に使われている木の柱や建具。
少し色あせていても、手入れをすればまだ十分使えることがあります。
古い化粧板でも、その家の雰囲気によく合っている場合があります。
残せるものは残し、新しくするところは新しくする。
その方がその家らしさが残ることもあります。
新しい材料を使うことだけが良いリフォームではありません。
今ある家の良いところを見つけて、次の暮らしへつなげること。
これも私たちの仕事だと思っています。

□まとめ|内装材は「好きな色」だけでなく「どう暮らすか」で選びましょう
住宅の代表的な内装材には、壁や天井なら、
クロス、化粧板、塗り壁、塗装。
床なら、
フローリング、クッションフロア、タイル。
などがあります。
それぞれに良いところがあり、同時に注意したいところもあります。
だから、
「一番良い内装材はどれですか?」
という質問には、一つの答えはありません。
掃除を楽にしたい。
木の温かさを感じたい。
水に強くしたい。
ペットが滑りにくい床にしたい。
ご高齢の両親が安心して歩けるようにしたい。
家族によって答えは変わります。
そしてリフォームなら新しい材料だけを見るのではなく、
今ある住まいの中で残せるものも一緒に見てください。
私は、
「この材料が流行っていますよ」
よりも、
「このご家族なら、この材料の方が毎日使いやすいですね」
というご提案をしたいと思っています。
内装材は家をきれいに見せるためだけのものではありません。
毎日触れ、歩き、目にするものです。
だからこそ、これからの暮らしに合うものを一緒に選んでいきましょう。
塗装だけではなく、お住まいに関する事ならぜひ私、漆﨑隆一へお気軽にご相談ください!






