初めてリフォームをするなら、最初にしてほしいことは難しくありません。
まずご家族で
「今、この家で何に困っているのか」
を話してみてください。
その次に一度住まいの状態を専門家に見てもらう。
そして分かったことを
①今やること
②少し先でよいこと
③今はまだやらなくてよいこと
に分ける。
私はこの順番が一番分かりやすいと思っています。
リフォームは最初から商品を決めたり、正確な予算を出したりしなくても始められます。
理由は例えば同じ「お風呂を直したい」というご相談でも、
その理由によって必要な工事はまったく違うからです。
まず「何を直すか」より「何に困っているか」を考える
私がリフォームの相談を受けた時、お客様にできるだけ聞くようにしているのが、
「今、何が一番困りますか?」
ということです。
例えば、
「お風呂を新しくしたい」
というご希望でもよく伺ってみると、
「冬、とにかく寒いんです」
ということがあります。
それなら考えるのは浴槽や壁の色だけではありません。
窓や断熱、脱衣所との温度差まで見た方がよいかもしれません。
キッチンも同じです。
「古くなったから交換したい」というお話から始まっても本当に困っていることが、
「物が片付かない」
「後ろを家族が通れない」
「料理をしながら家族と話したい」
なのであれば考えるべきことは商品のグレードだけではありません。
まず困っていることが分かるとリフォームで何を良くしたいのかが見えてきます。
ここが最初です。
次に今の住まいを見てもらう
ご家族の希望が少し整理できたら、次は現在の住まいを見てもらいます。
リフォームは新しいものを取り付けるだけの仕事ではありません。
今ある床や壁、配管、下地、窓、外壁、屋根などを使いながら工事をするので
家によって条件が違います。
例えば、洗面所の床がフカフカする。
見た目だけなら床材を張り替えればきれいになります。
ところが調べてみると浴室からの水が長い間入り込み、
床の下地まで傷んでいることがあります。
反対に、
「そろそろ全部直さないといけないでしょうか」
とご相談を受けても見てみると、
「ここはまだ大丈夫です。今回はこの部分だけ直しましょう」
ということもあります。
だからリフォームは家を見てから考えた方が話が早いのです。
何が必要なのかが分かれば、予算も決めやすくなります。
「今やる」「少し先」「まだやらない」に分ける
住まいを見てもらったら、出てきた工事を全部一度にする必要はありません。
私は、大きく3つに分けて考える方法をおすすめしています。
今やった方がよいこと。
雨漏りや水漏れなど、住まいを傷める原因になっているものは優先します。
少し先に計画すること。
外壁や屋根、給湯器、水まわりなど、まだ使えるけれど数年以内には考えたいものです。
今はまだやらなくてよいこと。
問題なく使えていて、急いで手を入れる必要がないものです。
この3つに分けるとリフォームはずいぶん考えやすくなります。
「全部でいくらかかるのだろう」
と考えるのではなく、
「まずここに予算を使おう」
「これは3年後に考えよう」
とご家族で順番を決められるからです。
予算も最初からきっちり決めなくて大丈夫です
初めて相談されるお客様から、
「予算を決めてから相談した方がいいですか?」
と聞かれることがあります。
私はおおよその金額感があれば十分だと思っています。
家の状態が分からない段階で正確な予算を決めるのは難しいからです。
むしろ、
「ここはぜひ直したい」
「できればここも一緒にしたい」
「ここは予算が合えば考えたい」
くらいに分けておいていただく方が提案もしやすくなります。
そのうえで住まいを見ながら、
「ここにはお金をかけた方がよい」
「ここはもう少し待てる」
と整理していけばよいと思います。
家にも、ご家族にも、使える予算にも、それぞれ事情があります。
だからリフォームにはすべての家に共通する一つの正解があるわけではありません。
そのご家族にとってちょうどよい順番を見つけることが、正解なのだと思います。
相談する時は上手に説明しなくても大丈夫です
相談前に立派な資料を作る必要もありません。
例えば、
「冬のお風呂が寒い」
「最近、外壁のひびが気になる」
「母がトイレから立つのが大変そう」
「実家をこの先どうしたらいいか、一度見てほしい」
これで十分です。
私たち建築の仕事をする側がその言葉を聞きながら住まいを見て、
「では、ここから考えましょう」
と整理していくのが仕事です。
写真が撮れる場所ならスマートフォンで一枚撮っておくだけでも相談しやすくなります。
まとめ|最初に決めるのは、商品ではなく「これからの暮らし」です
初めてのリフォームで、最初にしてほしいことは3つです。
今、何に困っているのかを家族で話す。
現在の住まいを専門家に見てもらう。
分かったことを、今・少し先・まだやらない、に分ける。
これだけです。
リフォームというとキッチンやお風呂、床や壁紙などを新しくすることに目が向きます。
でも本当に考えたいのはその先です。
冬のお風呂を少し暖かくしたい。
家事を楽にしたい。
両親が安心して暮らせるようにしたい。
今の家を、もう少し長く大切に使いたい。
そうした毎日の暮らしを整えるためにリフォームがあります。
最初から全部を決めなくても大丈夫です。
「この家で、これからどう暮らしたいか」から考えてみてください。
そこから始めると必要なリフォームは自然と見えてきます。






