外壁や屋根の傷み、どこを見ればいい?福井で確認したい3つの劣化サイン

執筆・監修:漆﨑隆一
一級建築士/住宅リフォームの実務家
『住まいのリフォーム完全ガイド Q&A108選』著者

外壁の色あせやひび割れが気になる。
屋根にコケやズレが見える。
雨樋が少し曲がっているように感じる。

こうした変化を見つけても、すぐに塗装や大きな修理が必要とは限りません。

まずは、外壁や屋根の状態を次の3段階に分けて考えてみましょう。

外壁・屋根の劣化サインは3段階で確認します

1.今後の計画を考えるサイン
軽い色あせ、汚れ、コケなど

2.早めに状態を確認したいサイン
チョーキング、細かなひび割れ、シーリングの割れ、雨樋のゆがみなど

3.できるだけ早く相談したいサイン
大きなひび割れ、外壁の浮き・剥がれ、屋根材の割れ・ズレ、軒天や室内天井のシミなど

この3段階が分かれば今後の計画として考えればよいのか、専門家に状態を確認してもらった方がよいのかを整理しやすくなります。

住宅リフォーム推進協議会も、風雨にさらされる外壁や屋根は定期的に確認し、傷んだ部分は状態に応じて補修することを案内しています。

外壁で確認したい劣化サイン

外壁は、雨、風、日差しを受けながら住まいを守っています。

年数が経つと、表面の塗膜だけでなく、外壁材のつなぎ目や窓まわりにも少しずつ変化が表れます。

劣化サインどのような状態か次の行動
色あせ・ツヤの低下外壁の色が薄く見える今後の計画を考える
コケ・藻・黒ずみ北面や日当たりの悪い面に出やすい広がり方を確認する
チョーキング外壁を触ると白い粉がつく一度状態を見てもらう
細かなひび割れ外壁表面に細い線が見える幅や深さを確認する
シーリングの割れ・隙間外壁材のつなぎ目が切れている早めに状態を確認する
塗膜の剥がれ表面の塗装がめくれている下地の状態も確認する
外壁材の浮き・反り外壁材が浮いたり反ったりしているできるだけ早く相談する
雨染み窓下などに水が流れた跡がある雨水の流れを確認する

色あせや軽い汚れ

色あせや軽い汚れは、すぐ工事を決める合図ではなく、今後のメンテナンスを考え始めるきっかけです。

前回の塗装時期や外壁材の種類を確認し、ほかの症状が出ていないかも一緒に見てみましょう。

チョーキング

外壁を手で触った時に白い粉がつく状態をチョーキングと呼びます。

塗膜の表面が少しずつ変化しているサインです。
チョーキングだけで工事内容は決まりませんが、一度外壁全体を確認する目安になります。

ひび割れ・シーリングの隙間

ひび割れは、幅や深さ、発生している場所によって対応が変わります。

外壁材のつなぎ目にあるシーリングも、割れや隙間が大きくなると、雨水の通り道になることがあります。

外から見ただけでは深さが分かりにくいため、広がっている場合や隙間が見える場合は、状態を確認してもらいましょう。

屋根で確認したい劣化サイン

屋根は外壁よりも日常的に確認しにくい場所です。

ご自身で屋根へ上がるのではなく、地上、少し離れた場所、2階の窓などから安全に見える範囲だけを確認してください。

劣化サインどのような状態か次の行動
色あせ屋根表面の色が薄く見える今後の計画を考える
コケ・藻緑色や黒っぽい汚れが見える範囲と水はけを確認する
屋根材の割れ瓦やスレートに割れが見える早めに状態を確認する
屋根材のズレ瓦や屋根材がずれて見える専門家に確認してもらう
棟板金の浮き屋根の頂部が浮いて見える早めに状態を確認する
金属屋根のサビ茶色や白色のサビが見える広がる前に確認する
軒天のシミ・剥がれ屋根の裏側に変色がある雨水の影響を確認する
室内天井のシミ天井に新しいシミが見えるできるだけ早く相談する

屋根の色あせや軽いコケだけで、すぐに葺き替えや大きな工事が必要になるわけではありません。

一方、
屋根材の割れやズレ、棟板金の浮き、軒天や室内天井のシミがある場合は雨水の流れや下地の状態まで確認した方が安心です。

屋根は、表面に見える屋根材だけではなく、その下の防水シートや下地によって住まいを守っています。

表面の塗装で整えられる状態なのか、部分補修が必要なのか、下地まで確認する必要があるのかは、屋根材や傷み方によって異なります。

雨樋・軒天・破風板も一緒に確認しましょう

外壁や屋根の状態を見る時は雨水がどのように流れているかも大切です。

屋根に降った雨は雨樋を通って地面へ流れます。
途中に不具合があると、外壁や軒天、基礎まわりへ水がかかりやすくなることがあります。

次の部分も一緒に見てみましょう。

  • 雨樋のゆがみや外れ
  • 集水器や縦樋の詰まり
  • 破風板の色あせや剥がれ
  • 軒天のシミやめくれ
  • ベランダ床のひびや膨れ
  • 窓まわりのシーリング
  • 換気フードや配管まわりの隙間

外壁塗装を考える際も外壁だけではなく、屋根、雨樋、軒天、破風板、ベランダまで外まわり全体を見ることで、必要な工事を整理しやすくなります。

福井の住まいでは、雪・雨・湿気も確認します

福井の住まいでは雪の積もり方、落雪する方向、雨水の流れ、日当たりや風通しによって、外まわりの傷み方が変わります。

気象庁の福井の平年値にも冬季の降雪や積雪に関する観測データが示されています。

雪のあとに見たい場所

雪が多く積もったあとは、次の部分を地上から確認してみましょう。

  • 雨樋が下がったり傾いたりしていないか
  • 屋根材や板金にずれが見えないか
  • 落雪した場所の外壁や設備に変化がないか
  • カーポートや物置との接触がないか

北面や風通しの悪い場所

北面、隣家との距離が近い面、植栽のそばなどは、日当たりや風通しの違いによってコケや黒ずみが出やすくなる場合があります。

家全体を同じように見るのではなく、面ごとの違いを確認することが大切です。

雨のあとに見たい場所

雨が降ったあとに窓下の雨染み、軒天のシミ、雨樋からのあふれなどが分かりやすくなることがあります。

晴れた日だけでなく雨のあとに変化がないかを見ることも、住まいの状態を知る手掛かりになります。

劣化サインを見つけた時に行う3つのこと

気になる症状を見つけたら、すぐに工事内容を決めるのではなく、次の3つを行ってください。

1.写真を撮る

気になる場所を少し離れた写真と近くの写真の両方で残します。

ひび割れやシミの場合は日付も記録しておくと、変化を確認しやすくなります。

2.いつから気になっているか整理する

  • 最近見つけた
  • 雨のあとに目立つ
  • 雪のあとに変化した
  • 少しずつ広がっている

など、気づいた経緯もメモしておきましょう。

3.必要に応じて専門家に状態を見てもらう

専門家へ相談することは、すぐ工事を契約することではありません。

今後の計画でよいのか、部分補修を考えるのか、早めの対応が必要なのかを整理するために
まず現在の状態を確認してもらいます。

突然、屋根や外壁の傷みを指摘された時は

訪問してきた業者から屋根や外壁の傷みを指摘された場合も、
その場で工事を決める必要はありません。

まず、指摘された場所と写真を確認し、
ご家族で話し合ったうえで、必要に応じて別の専門家にも状態を見てもらいましょう。

国民生活センターも突然訪問してきた業者に安易に屋根を点検させず、
工事は十分に検討してから契約するよう案内しています。

訪問点検や火災保険の案内を受けた時の確認方法については別の記事で詳しくお伝えします。

「突然の住宅点検を受けたら|落ち着いて確認したい5つのこと」

まとめ|住まいの状態が分かれば、必要な時期を選びやすくなります

外壁や屋根の劣化サインは、次の3段階で考えます。

1.今後の計画を考えるサイン
色あせ、軽い汚れ、軽いコケ

2.早めに状態を確認したいサイン
チョーキング、細かなひび割れ、シーリングの割れ、雨樋のゆがみ

3.できるだけ早く相談したいサイン
外壁の大きなひび割れや浮き、屋根材の割れやズレ、軒天や室内天井のシミ

すべての変化がすぐに塗装や大きな修理につながるわけではありません。

大切なのは現在の状態を知り、今後の計画でよいこと、早めに確認したいこと、できるだけ早く対応したいことを分けることです。

福井の住まいでは外壁や屋根だけでなく、雪の積もり方、雨水の流れ、雨樋、軒天、窓まわりまで外まわり全体を見ておきましょう。

状態が分かれば必要な時期と工事内容を、ご家族の予算や暮らしに合わせて選びやすくなります。

次に読みたい記事

外壁や屋根の状態が気になった時、次に大切になるのは、どこに相談するかです。

見積金額だけで判断してよいのか。
説明が分かりやすい会社とは、どのような会社なのか。
現場をきちんと見てくれる会社は、どこで見分ければよいのか。

次の記事では、初めてリフォームを考える方に向けて、
「リフォーム業者選びで失敗しないために|見積金額だけで決める前に確認したい大切なポイント」
をお伝えします。

ABOUT US
漆﨑 隆一
昭和47年生まれ。社南小・至民中・科学技術高等学校卒業。塗装歴30年。大工歴25年。携わった工事は7000件以上。一級建築士。全日本ベスト塗装店賞・最高金賞2回・金賞6回受賞。日本建築塗装職人の会会長とも親交が深く、塗装業界からも頼りにされている存在。趣味は仕事。好きな食べ物は奥様の手料理とヨーロッパ軒のソースかつ丼。仕事に厳しく、自分に厳しい福井市が生んだ塗装・リフォームのカリスマ親方。
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