光触媒塗料のメリット・デメリット

前回ご紹介した遮熱塗料はいかがでしたでしょうか。
今回は、特殊塗料の1つである光触媒塗料をご紹介します。

実は、この光触媒塗料は特殊塗料の中でも最も高価で機能面が優れているとされる塗料です。
商品展開しているメーカーが少なくまだまだマイナーな塗料であり高額ではありますが、その機能面の高さから人気が出てきている塗料です。

では、光触媒塗料のどのような機能性が評価されているのでしょうか。
光触媒塗料の魅力は大きく3つです。
1つは、セルフクリーニング効果です。
太陽の光で汚れを分解して浮かび上がらせ、雨で汚れを洗い流すことができます。つまり、自然の力で汚れを落とすことができるのです。
また、空気中の外壁汚れは静電気によって外壁に付着する事が多いのですが、光触媒塗料を塗った外壁は静電気を帯びにくくなるので、汚れや臭いがつきにくいです。

2つ目は、耐久年数の長さです。
光触媒塗料の耐久年数は20年と言われており、耐久年数が長いといわれるフッ素系塗料と同等の耐久年数になります。
ただこの20年という数字は目安でしかなく、光触媒塗料の中にも短い耐久年数の物も存在するという事に注意して下さい。

3つ目は、遮熱効果です。
光触媒塗料を塗ることで遮熱効果を得る事ができる場合があります。その場合には、昼間の太陽の熱を蓄熱せず反射してくれるので、夜まで放熱で家がずっと暑い、と言う事がなくなります。

以上の3つがメリットになります。
対してデメリットも大きく3つあります。

1つは、施工費用が高い点です。
まだまだ主流の塗料ではないので取り扱うメーカーも少なく、費用はかさみます。外壁塗装で最も主流に用いられるシリコン系塗料と比較すると2倍以上になってしまいます。
また、遮熱塗料と同様で特殊な塗料ですので、施工に技術力を必要とします。

2つ目は、一部の素材に塗装が困難である事です。
現在屋根用の光触媒塗料はなく、外壁においても木部、石、漆喰、樹脂などで出来た部分には光触媒塗料は塗る事ができません。

3つ目は、効果を発揮できない環境もある点です。
光触媒塗料は、太陽の光というよりも、紫外線に反応して、汚れなどを分解する活性酸素を発生させます。
そのため、曇っていたり、日当たりが悪い場所だとしても、光触媒の効果を発揮し汚れを落とす事が可能です。
しかし、隣接する建物との間隔が1メートル未満である場合には、紫外線すら当たりづらくなってしまうので、光触媒塗料の効果を発揮しづらくなります。

このようにどの塗料についても良い点・悪い点があります。
どちらも加味した上で、お住まいの希望に合う塗料を選ぶ事が大切です。

ABOUT US
漆﨑 隆一
昭和47年生まれ。社南小・至民中・科学技術高等学校卒業。塗装歴30年。大工歴25年。携わった工事は7000件以上。一級建築士。全日本ベスト塗装店賞・最高金賞2回・金賞6回受賞。日本建築塗装職人の会会長とも親交が深く、塗装業界からも頼りにされている存在。趣味は仕事。好きな食べ物は奥様の手料理とヨーロッパ軒のソースかつ丼。仕事に厳しく、自分に厳しい福井市が生んだ塗装・リフォームのカリスマ親方。
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