外壁塗装の次の塗替目安は?簡単診断方法教えます


外壁塗装の「耐用年数」とは、外壁塗装が終わってから次の塗装をするまでの期間のことです。
塗装部分がどのくらい外壁を保護してくれるのかを指します。
耐用年数が過ぎた後は塗装の塗り替えをしなければいけません。

外壁塗装の耐用年数はどのくらいなのか、耐用年数が過ぎた後は何をすれば良いのかわからない方もいらっしゃると思います。
耐用年数は全て同じ年数ではなく、塗料によって差があります。
そこで今回は、外壁塗装の耐用年数と塗り替え時期の判断方法についてご紹介します。

外壁塗装の平均耐用年数

新築の場合、30年ほどもつ外壁もありますが、ほとんどの外壁塗装の耐用年数は10~20年とされています。
そのため、外壁塗装を一度でも行った場合は、約10年で塗り替えることをおすすめします。

しかし、その耐用年数も使用した塗料によって異なります。
外壁塗装で使用される塗料には、樹脂により大きく分けて以下の5つがあります。

1つ目は、ウレタン塗料です。
ウレタン塗料は、ツヤがある塗装の膜を形成する塗料です。
ツヤがある外壁塗装は、ホコリや雨風といった汚れがつきにくいのが強みと言えるでしょう。
耐用年数は約8~10年であり、3回塗りの価格は高くても1平方メートルで3,000円のため、工事費用を抑えたい方におすすめです。

2つ目は、シリコン塗料です。
シリコン塗料は、外壁塗装の中で最も人気がある塗料で、コストパフォーマンスに優れています。
耐用年数は約10~18年であり、3回塗りの価格は高くて4,000円です。
塗料が多すぎてどれを選ぶべきかお悩みの方は、シリコン塗料を選んでみるのも良いでしょう。

3つ目は、ラジカル塗料です。
5つの中で最も新しい塗料で、1平方メートルあたりの3回塗りの価格は高くて4,000円ほどです。
耐久年数は樹脂により変わりますが、同じ樹脂と比較した場合、耐久年数が向上するのが特徴でもあります。
新しい塗料はほぼラジカル制御塗料となっています。

4つ目は、フッ素塗料です。
フッ素塗料の特徴は、耐用年数が15~24年と非常に長く、メンテナンスの手間が省けます。
3回塗りの価格は1平方メートルで4,000円ほど、高くて5,000円ほどかかるため、他の塗料と比べると少し高めに設定されています。

5つ目は、無機塗料です。
無機塗料は、シリコン塗料やフッ素塗料に無機質な素材を混ぜたことによってできた塗料です。
耐用年数は15~20年以上と、非常に耐久性に優れた塗料です。
3回塗りの価格は1平方メートルあたり高くて5,000円ほどかかるでしょう。

無機塗料は、塗装の耐久性は高いですが素材が同じだけ耐久性を保てるかを判断して選びましょう。

外壁塗装の塗り替え目安かを判断する方法

ここでは、外壁が塗り替え時期にきているかを簡単に判断する方法をお教えしましょう。
プロが判断している方法をポイントを抑えてお教えしますので、ご自身で診断しましょう。

1つ目は、チョーキングです。
塗装された壁に指で触った際、指の部分に黒板のチョークのような白い粉が付いたら塗装が痛み出してきたと判断します。
触って粉が付けば塗り替え時期、付かなければ大丈夫と判断します。
が、痛み状態が進行しすぎるとチョーキングしなくなりますので次からの診断方法で確認します。

2つ目は、塗装の剥がれです。
塗装が素材から剥がれ落ちていたり浮いていると塗り替え時期だと判断します。
剥がれ落ちているかは目で確認しましょう。
浮いているかはプロの場合、打診棒を使用しますが皆さんの場合はご自宅にあるスプーンの丸い部分を壁に当てて動かしてください。
軽い音になる場所が塗料が浮いている可能性があるのでマスキングテープなどで印を付け
見積依頼時に専門家に再確認してもらいましょう。

3つ目は、ひび割れです。
モルタル壁やサイディングの場合でヒビが出てきた時には塗り替え時期だと判断します。こちらも目で確認しましょう。
もし、サイディング壁でサイディング自体に幅5㍉以上のひび割れが出ている場合は
建物が大きく動いている事が考えられます。
なるべく早く専門家の診断を受けた方が良いでしょう。

4つ目は、汚れです。
汚れが目立っている場合は塗り替え時期だと判断します。
汚れやすい場所は次の4つです。
①窓下などの雨が伝う場所
②北側や隣地との距離が狭くて日や風が通りにくい場所
③雨の当たりにくい場所
④換気扇の排気カバー部分
この部分を確認して汚れている事がよく分かる様なら
前回の塗装の性能が落ちてきていると判断出来ます。

5つ目は、錆です。
錆が出始めていたら塗り替え時期だと判断します。
皆さんがイメージされる通り、赤錆が全体に出ていたらすぐ工事を行いましょう。
あと表面に白くプツプツと膨れてきているのも白錆ですので早く錆落としをして塗り替えしましょう。
錆は板金壁や金属製サイディングが主ですが、モルタル壁などでも水切りやコーナーなどで板金を使っていますので確認しましょう。

6つ目は、コーキングです。
サイディングのつなぎ目にあるコーキング表面にヒビが出ていたり、隙間があいていたら塗り替え時期だと判断します。
完全に隙間があき、下に入っているジョイナー(青やシルバーで見えています)やバックアップ材(白く見えています)が完全に見えているお宅もありますが、確実に内部に浸水しています。
浸水はサイディングの耐久性を落とすこととなりますので切れだしたらすぐに直しましょう。

耐用年数が過ぎた場合に起こる問題

前述したように、ひび割れが起こっている場合はその隙間から水が入り雨漏りの原因になってしまいます。
雨漏り以外にも、耐用年数が過ぎた場合に起こる問題があります。

1つ目は、見た目の悪化です。
耐用年数が過ぎると、外壁部分の変色や退色が起こり、場合によってはカビが生じます。
外壁塗装をした直後のデザインや色が失われてしまうのです。

2つ目は、害虫の侵入です。
耐用年数が過ぎているにもかかわらず外壁塗装をしなかった場合、ひび割れした隙間から虫が入ってくる可能性があります。
ゴキブリといった害虫も家の中へ侵入する恐れがあるため、虫が苦手な方は外壁がひび割れしないよう、外壁塗装をきちんと行いましょう。

3つ目は、耐震性の悪化です。
外壁塗装を放置したままでいると、虫や水が入ってくるため、外壁の部分だけではなく、外壁の内側である部分の材料も腐敗し劣化症状が現れます。
それにより、家全体の耐震性が悪くなってしまうかもしれません。

家全体の耐震性が悪くなることは、地震が起きた際に命の危険にさらされることを意味します。
万が一の場合に備え、外壁塗装は定期的に行っておきましょう。

外壁塗装の耐用年数を長くするためのポイント

まずは、塗装する前の下地処理をきちんと行うことです。
外壁塗装には、塗装後に不備がないよう塗装をする前に「下地処理」といった工程があります。

1つ目は、高圧洗浄です。
高圧洗浄の工程では、外壁についている汚れや前の塗装膜を高圧洗浄機で洗い落とし、塗料を塗りやすくします。

2つ目は、ケレン作業です。
ケレン作業では、高圧洗浄機でも落ちなかった汚れや塗装膜を、ヘラやサンドペーパーで念入りに落とす作業です。

3つ目は、目荒らしです。
目荒らしとは、塗料が付きにくい木材に傷をつけて塗料を塗りやすくする作業です。
主に金属製の手すりや木製の玄関扉で行われる場合が多いでしょう。

4つ目は、ひび割れ補修です。
これは、外壁に起こってしまったひび割れを、塗装する前にシール材であらかじめ埋めておく作業です。
こういった下地処理がきちんと行われていることによって、塗料がきちんと外壁に付着し、塗装不良を起こしにくくなります。

また、塗料は3回塗りを実施することをおすすめします。
3回塗りとは「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3つをセットにした言葉です。
塗料は、この3回塗りを前提として作られているため、塗料の注意事項をよく読んでおきましょう。

塗料の中には、「水性塗料」「油性塗料」といった2種類の塗料が存在しますが、少しでも耐用年数を長くしたい方には油性塗料がおすすめです。

しかし、油性塗料はシンナーが含まれているため、水性塗料よりもにおいが強力なデメリットがあることを考慮して選びましょう。

塗料以外で外壁塗装を長持ちさせる方法

1つ目は、外壁周辺を手入れすることです。
植え込みがしてあったり、日が当たりにくかったりする壁は湿気がこもりやすく、カビが生えてしまう場合が多いです。
そういったことが起きないためにも、外壁周辺の植え込みは頻繁に刈り、日が当たるようにしておきましょう。

2つ目は、カビを見つけたらすぐ落とすことです。
外壁の手入れと似ていますが、カビをすぐに落とさなければ外壁全体に汚れが広がってしまいます。
そのため、カビを見つけたらすぐに水で洗い流しましょう。
ホースで水をかけるのがおすすめですが、どうしても落ちない場合はカビ専用の洗浄剤を使ってみましょう。

まとめ

今回は、外壁塗装の耐用年数についてご紹介しました。
塗料は大体10~15年程度のものが多いため、外壁塗装は10年を目安とするのが良いでしょう。
大切なお家を長く・綺麗に保つために、塗り替えリフォームをご検討の場合は、
信頼のおける専門家に一度ご相談下さい。


ABOUT US
漆﨑 隆一
昭和47年生まれ。社南小・至民中・科学技術高等学校卒業。塗装歴30年。大工歴25年。携わった工事は7000件以上。一級建築士。全日本ベスト塗装店賞・最高金賞2回・金賞6回受賞。日本建築塗装職人の会会長とも親交が深く、塗装業界からも頼りにされている存在。趣味は仕事。好きな食べ物は奥様の手料理とヨーロッパ軒のソースかつ丼。仕事に厳しく、自分に厳しい福井市が生んだ塗装・リフォームのカリスマ親方。
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