外壁塗装の乾燥時間、3つのポイント


外壁塗装を依頼する際、どのような塗料を使うか、色はどうするかといったことを中心に考えがちですが、外壁塗装が終わった後の塗料がどれくらいで乾燥するかといったことも考慮しましょう。
外壁塗装には、それぞれのメーカーから塗料の種類や各工程に対して、乾燥時間の目安が設定されています。
これらをきちんと守って作業することで、理想的な仕上がりになったり、不具合の発生を抑えたりできます。

そこで今回は、外壁塗装の乾燥に必要な時間をご紹介します。
外壁塗装をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

外壁塗装の乾燥時間、4つの決まり

外壁塗装に使われる塗料は、水性塗料と油性塗料の2つに分けられます。
水性塗料は、主に水と木々から構成された、環境に優しい素材が多く使われています。

対して、油性塗料は、シンナーといった有機溶剤が含まれています。
これらを使って塗装を行い硬化します。
さらに、塗膜が形成し完了するのにかかる時間を乾燥時間と言います。

乾燥時間には、4つの段階があります。

1つ目は、指触乾燥です。
指触乾燥とは、指で塗装部分を触っても、塗料が付かないくらいの乾燥状態であることを指します。
この状態になるには、塗装から1~2時間ほど乾燥させる必要があります。
なお、この段階ですでに乾燥しているように思われますが、まだまだ未完了の段階です。

2つ目は、半硬化乾燥です。
塗装をこすっても傷が付かないくらいの乾燥状態のことを半硬化乾燥と言います。
この状態になるには、半日程度の乾燥時間が必要です。
そして、次の作業工程に進みます。

3つ目は、硬化乾燥です。
硬化乾燥は、半硬化乾燥の状態よりもさらに強力な乾燥状態のことを指します。
塗装を強くこすっても傷が付かず、塗装完了に近い状態です。
硬化乾燥には、1週間ほどの乾燥時間が必要です。

しかし、塗装完了に近い状態と言っても、塗装の内部はまだ乾燥している途中です。

4つ目は、完全乾燥です。
完全乾燥は、表面も内部も塗料の乾燥が完了した状態のことを指します。
この状態になるまでには、塗装した後から1ヶ月ほどの乾燥時間が必要です。

乾燥時間にはいくつかの要素があり、それによって乾燥時間も変わります。
まず、塗装方法が一般的なローラー、もしくはマスチックローラーといったものを使用した場合は、塗装の膜の厚さによって必要な乾燥時間が異なります。
そのため、乾燥時間を長めに設定しなければいけません。

また、気温や湿度も関係しています。
一般的に、外壁塗装の標準気温は23度とされています。
これを下回っているほど、乾燥時間を長く設定しなければいけません。
例えば、気温が5度以下で湿度が80パーセント以上の場合は、外壁塗装が不可能なため注意しましょう。

塗料によって乾燥時間は異なる

外壁塗装は、使った塗料によって乾燥するのに必要な時間が違ってきます。
まず、外壁塗装には下塗り、中塗り、上塗りといった工程があり、それぞれで使われる塗料も違います。
下塗りで使われる塗料は、シーラー系や防水系、フィラー系といった種類の塗料です。

シーラー系の塗料は2~3時間ほど乾燥しなければいけません。
フィラー系の塗料では、6時間ほどの乾燥時間を要します。
また、防水系の塗料では16時間と、上記の2つよりも多くの時間が必要です。

中塗りと上塗り塗装では、使われる塗料が同じであり、水性塗料か油性塗料のどちらかを使います。
油性塗料の方がシンナーといった有機溶剤を含むため、乾燥時間が短いことが特徴です。
2時間以上の乾燥時間が必要となりますので、午前中に中塗りを塗装して午後から上塗りを塗装する事も可能です。
が、品質にこだわる業者の場合は当日に2回塗りはしません。
理由は万が一、乾燥不足であった場合に美しい仕上がりにならないこと、
そして適正な塗膜を付けることが出来なくなるからです。

外壁塗装の乾燥時間3つの短縮法

外壁塗装を乾燥するのにかかる時間を短くするには、主に3つの方法があります。

1つ目は、暖かい季節に外壁塗装を行うことです。
外壁塗装の乾燥時間は、気温や湿度が大きく関わってきます。
そのため、乾きにくく寒い季節は避け、暖かい季節に外壁塗装を行いましょう。

2つ目は、風通しを良くすることです。
乾燥時間は、風通しが良いか悪いかによっても差が生じやすいです。
扇風機といった人工物を使って乾燥時間を短くしようと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、それは不具合を起こしやすいためおすすめしません。

外壁塗装を行った部分がシートで覆われている場合は、そのシートを撤去することによって乾燥時間を短くできます。

3つ目は、水性塗料ではなく、油性塗料を使うことです。
先ほど説明したように、油性塗料の方が水性塗料よりも乾燥時間を短縮できます。
水性塗料は環境に良い塗料ですが、少しでも乾燥時間を短縮したい方は油性塗料を選びましょう。

塗装が乾燥する前の3つの注意点

塗装が乾燥する前の注意点としては、主に4つあります。

1つ目は、ものを立てかけないことです。
乾燥する前に何かを置いてしまうと、その部分がへこんだり塗装が剥がれたりしてしまうかもしれません。
傘のような軽いものでも立てかけてはいけません。
傘には、塗装の膜にくっつくと同化しやすい可塑剤が使われているため、傘を退ける際に塗装も一緒に剥がれてしまいます。

2つ目は、乾燥が完了したことを自分で確かめないことです。
塗装後に完全に乾燥したかどうかは、経験豊富な塗装会社でないと分かりません。
外壁塗装は、表面的には乾いているように見えても、内部は乾いていないことがあります。

自分で乾燥したと判断して触ってしまうと、塗装の接していた部分が剥がれる場合があります。
自己判断で触るのは塗装が剥がれる可能性を上げてしまうため止めましょう。

3つ目は、戸建て住宅の場合は外作業をしないことです。
戸建て住宅の場合、外壁塗装の乾燥期間中でも、自動車の点検や芝刈りといった外の作業をしたくなるかもしれません。
塗装された壁に触らなければ大丈夫なように思えますが、外でする作業によっては壁に何らかのものが飛んでしまい、付着してしまうかもしれません。

これは塗装が剥がれてしまう原因になるため、外での作業はできるだけ控えましょう。

4つ目は、注意事項を外壁塗装会社に確認することです。
外壁塗装の説明は、塗装効果や費用が中心です。
乾燥するまでの注意点はされないことが多いため、塗装に関する知識が無い場合は、必ず塗装会社に注意事項を確認しておきましょう。

乾燥時間を守らないとどうなるか

乾燥時間を守らず外壁塗装を完了してしまった場合、壁のひび割れや塗装の剥がれ、気泡や色ムラといった不具合が起こります。
特に、塗装の剥がれや気泡は乾燥時間を守らなかったことで引き起こる現象です。
塗装が完了した1年後から目に見えて分かります。

しかし、乾燥時間を気にしすぎて下塗りや中塗り、上塗りといったそれぞれの期間の間隔をあけすぎると密着率が悪くなり、密着不良になってしまうでしょう。
そのため、適切な乾燥時間で塗装していくことが一番大事です。

まとめ

今回は、外壁塗装の乾燥時間についてご紹介しました。
外壁塗装の乾燥時間は、段階ごとに分けられていて、塗装方法や塗料、気温や湿度によって異なってきます。
乾燥時間を守らないと塗装の剥がれや色ムラといった不具合が起こってしまうため、気をつけましょう。
大切なお家を長く・綺麗に保つために、塗り替えリフォームをご検討の場合は、
信頼のおける専門家に一度ご相談下さい。

ABOUT US
漆﨑 隆一
昭和47年生まれ。社南小・至民中・科学技術高等学校卒業。塗装歴30年。大工歴25年。携わった工事は7000件以上。一級建築士。全日本ベスト塗装店賞・最高金賞2回・金賞6回受賞。日本建築塗装職人の会会長とも親交が深く、塗装業界からも頼りにされている存在。趣味は仕事。好きな食べ物は奥様の手料理とヨーロッパ軒のソースかつ丼。仕事に厳しく、自分に厳しい福井市が生んだ塗装・リフォームのカリスマ親方。
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